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岡崎洋子さん

東京に行くべく買った
ワンピース

20.03.28
HIROSHIMA

広島のラジオなどでパーソナリティとして活躍する岡崎洋子さんはフランソワーズと名乗り、呼ばれている。ブログがまだ一般化する前から書き始め、それがきっかけでほぼ日で連載を始め、本にまでなった人でもある。愉快で不思議な強烈なキャラクターの持ち主だが、その印象に反して決して変ではなく地に足がついた人でもある。真珠夫人から女優の心、占い、病気の話まで、フランソワーズさんの魅力は尽きない。

--私は、フランソワーズ

「専業主婦を10年やってからのことでした。子どもが3人がいるのですが、3番目が幼稚園に入った頃、昼ドラで「真珠夫人」が放送されていました。大好きで、真珠夫人の話をいろんな人にしていたら、幼稚園のお母さんが、当時ネットのホームページはしりの時期ですが、岡崎さんは話がおもしろいからなにか書けばいいじゃん、書いたら全部アップしてあげるよと言われて、ホームページを立ち上げたのがはじまりでした」

プチフランソワーズな毎日という、フランス好きの変な女性がやっているサイトという体でいこうと決め、フランソワーズと名乗って毎日HPを更新していた岡崎さんは、ある日髪を切ってもらっていた美容師に美術家の森村泰昌の存在を教えてもらう。歴史上の様々な人物に扮したポートレート作品で知られる森村のことを絶対好きだとオススメしてくれたのだという。

「森村さんが画家のフリーダ・カーロになる作品を見て感動しました。そのことをブログに書いたり、周りの人に言いまくっていたら、大阪の親友から『森村さんが読者を変身させて写真を撮る“変身塾”をやるらしいよ!』とお知らせがあり、出たいと思ってハガキを送りました。当時日々退屈だったから、『私は女優』と言って過ごしていたんです。正確には、“女優の心で暮らす”という意味なのですが、子どもと公園に行くにも、つば広の帽子と手袋をしたり、スーパーでネギを取るときの姿勢に気をつけたり。それで森村さんには、『広島在住の専業主婦、36歳、女優の心で暮らしています。オードリー・ヘップバーンに変身希望』と書いたら、『女優の心とはおもしろい!』と連絡があって、撮ってもらったんです」

ヘップバーンにはなれず映画「シカゴ」のレニー・ゼルウィガーに扮したそうだが、その体験があまりにおもしろく、岡崎さんはブログに事細かに書き連ねていた。祭りの後の静けさ、「ひっくりかえってお腹を出しながらボーッと」してしまっていたが、あの出来事はもっとすごいことなはずだから誰かに伝えたいと考え、コピーライターの糸井重里さんに連絡してみようと思い立った。

「『はじめまして、広島に住む36歳の主婦、女優の心で暮らしていたら、この間、森村泰昌さんのところで女優になりました』と書いてブログのリンクを貼って送ったんです。そうしたら2時間後に返事が来て、『僕も女優の心で、女優になりたくなった、久々に人の書いたもので心が踊りました。何かを褒めてくれる人を探していて、きっとフランソワーズさんならできるから“ほぼ日”で書いてみませんか」と言われて『やります!』とすぐ返事をして、試しに小林製薬とヤギを褒めた原稿を送ったら、『これです、僕が欲しかったのは』と言われて、「ほめ道」をゆくという連載が週一で始まりました』

--マザー・テレサの心が理解できた

3年ほど連載を続け、ポプラ社から書籍も出版され、広島では新聞に載ったり、ラジオの仕事が決まったりと順風満帆に見えたが、岡崎さんは違うところで悩んでいた。真ん中の子どもが中学受験をすると言い出し、そのための資金がいることだった。本は一冊出たが、それでこれから先ずっと問題なくいけるとは思えなかったという。

「このままじゃ無理だと思って、ライター募集で検索をしてみました。そうしたら占いライター募集を見つけたんです。昔から直感がすごくて占いも好きだったので、「なれば?」と言われていたんですけど、口八丁手八丁ででまかせを言ってお金を儲けるのはいやだからと思っていました。仕事として覚えて、名前が出なければ良いじゃないかと。占いライターをやっているうちに、占いが本当に分かるようになっていました。星占いからタロット占い、四柱推命まで、どれも全部わかるようになっちゃった。もともと出来ることって習わなくても分かりますよね、そんな感じでやっていたんですけど、50歳を過ぎた時に、次のタイミングが来ました」

息子さんが専門学校に行くからお金がいるとなり、この状況でできることからの消去法で、家から一歩もでないでできることを考えた。それが映像配信やSNSだった。

「長男も前からYou Tubeをやったほうが良いよと言ってくれてたんだけど、お母さんの話なんて誰の足しにもならないし、いやだと言っていました。でもお金が必要だしと思って、You Tubeでタロット占いを検索したんです。そしたらたくさんやっている人がいて、それを見て映像配信を勉強し、一ヶ月弱で部屋をスタジオにしていました。わけも分からず始めてみたら、何本目かで、再生回数が一気に数千回まで伸びて、チャンネル登録者も1000人超えたんです。もう一ヶ月で5,000人を超えて、これはお金になるかもしれないと」

占いのコンテンツを求めて来ていたのは、悩める女性たちだった。コメント欄に個人鑑定の依頼も書き込まれ始め、最初だからと無料鑑定を募集してみると二日間限定で100数十通の応募が来たそう。次も150以上の応募があり、無料では続けられないと有料に切り替えて30分1000円にし、今も続けている。

「みんな飢えてたんだと思います。みなさん当たると言ってくれるんですけど、大事なのはそれよりも、話を聞いて欲しいということ、何か示唆が欲しいということでした。だから儲かる儲からないじゃなくて、私はこれをやらなきゃ駄目なんだという思いが湧いてきたんです。泣くんですよみんな、フランソワーズさんに会えてよかったって。自分の占いを見るのが怖いから、不特定に向けたお話だけも上げてほしいと言われて、私が喋るだけの動画もアップし始めたんです」

岡崎さんはそうした女性たちの声を聞くうちに大きな気付きがあったという。

「全然レベルが違いますけど、マザー・テレサが何を思って活動していたのかがわかりました。女の人がこんなに搾取をされて苦しみ、自分の価値をわからずに生きていることに、涙がすごい出て。なんでこんなに自分に自信がないんだろう、男の人から愛されることを待っているんだろうと。恋だけに自分の価値を見出してしまう。でもそうじゃなくて、今、縁がないというのは成長の時だから、ということを言うんです。私の見ている世界の外にはこんな苦しんでる人たちがいるんだと思って衝撃でした。50歳を過ぎて、何か役に立つ時に入っているんだなと。ただ、私は自分が正しいとは思っていなくて、この通りに絶対したらダメよ、これは私がタロットからの示唆をあなたに伝えた上で、私があなたから感じていることを言っているだけで、あなたは自分で考えて自分で決めるの。占い師の言う通りに生きたら絶対ダメよって」

--私は現実的な人間

「子どもの頃は、自分て何なんだろうという宇宙的な感覚にずっと悩んでいたんですよ。他人が何を考えているのかわからないことがすごく疑問で、会話が成り立つという状況や関係性とか、自分が今この地を踏みしめて歩いている感覚とか、そうした感覚的なことに敏感な子で、世界の不思議と向き合っていました。自意識が強いのか、逆に何かに溶け込んでいるのかわからない感じの子で、小学校3年生くらいまで、自意識が目覚めきらずに、自分が存在しているかどうかが不確かなままだった。先生や友だちが自分を認めてくれるということに疑心暗鬼で、自分がはっきりとした意見を持つことにも違和感があってできなかった。だからとりあえずみんなに合わせていようという」

時に世間ではこうした子は不思議ちゃんのような扱いでひとまとめにしてしまうことも多い。とても乱暴で、多くのことを見逃しているが、実際に同じ感覚を共有するのが簡単ではないということではあるだろう。

「ところが3年生になって、担任の先生から学級委員になりなさいと言われてなったんです。前に出る人というのは特殊な能力や美貌を持った人だと考えていたので、私がそっち側に行くのはいやだと思っていたんですが、やってみたらそこからのびのびし出したんです。自分の思っていることを言っていいんだと思って、言い始めたらすごい楽しくなった。中学、高校時代は楽しく過ごして、友だちにも恵まれました」

先生によって半ば強引に開かれた扉は、新しい自分へと続いていたわけだが、開けた扉はもう閉まらず、岡崎さんは今まで走り続けてきた。ところが、その原動力の裏には不安がないわけではなかった。

「その時々、お金の不安は考えていました。就職したら稼げないから、自分は違うことで稼ぐんだろうなというのがあった。だから就職したら終わりだと思っていました。固定給じゃだめだと。ただ、ここがちゃっかりしているのは、社会保障が不安だったのでちゃんと法人化して厚生年金に入ってるんですよ(笑)。世の中とちゃんと折り合うところは折り合う、現実的な人間なんです。どうやったら健康で、幸せで、お金が稼げて、愛情豊かにと生きていけるかに力点を置いていくと、自分の中の選択肢って見えてくる」

--あなたが素敵な人になれば素敵な人生になる

変わったおもしろい人でありながら、その実、しっかり地に足ついている。大地を踏みしめる感覚を不思議に思っていた子ども時代から、しっかり大地を踏みしめる大人にまでなった。岡崎さんは、ブレずにしっかり立っている。

「みんな恋愛さえ上手くいけば良いと思っているけど、恋愛でうまくいくなんていうのは一瞬のきらめきでしかないよって。素敵な人に出会えさえすればと思っているけど素敵な人に出会うのではなくて、あなたが素敵な人になれば素敵な人生になる。相手はコロコロ変わっていいし、変わるのが普通。運命は、自分が切り開いていくもので、与えられるものと決まっていないんだと。宿命は生まれた場所のことで、あとは知能が行き先を決める。運命は全部自分が切り開くもので、待っていたら訪れるものじゃないんです」

ただ、ここで重要なのは、「神様の言葉」として言ってあげないとだめなのだそう。タロット占いであれば、タロットでこう出ているということが先にあって、次に岡崎さんの言葉があるのだ。

--今着るとエロすぎて着れない

今回ループケアするのは?

「リシュラで買った服なんですが、ほぼ日でコラムを書き始めた頃で、本を出してくれるということで東京のポプラ社の社長やほぼ日に行くために買った服です。小さな頃からずっと思ってきた、ちっぽけな自分が成長したきっかけでもあるのでやっぱり思い出の服です。ただ、今着るにはエロい」

ループケアする理由が今着るとエロいからというのは初めてのケースかも知れない。

「最近も着ようかなと思ったんですけど、流石にちょっとエロいんです。このくらいの歳になってエロい服を着ると本当にエロいんですよ。だから辞めておこうと。思っている以上に隠しきれないエロさが出てしまうらしく。でも、そういうもの自体はすごい大切だと思うので、女性はそれを忘れては駄目といつも言ってるんです」

岡崎さんは、2年前に胃にポリープが見つかり摘出手術を受けた。結果ガンではなかったが、悪化を懸念して胃の半分を切除することとなった。

「病気などのサバイバーの方は、残りの人生は人のために生きたいと思ったと言うことがありますけど、ホントだなと思いました。あれがあったお陰で、もともと自分なんてどうでもいいやと思っていたのがより一層強くなって、叩かれることも自分なんて叩かれても良いやぐらいになった。だからYouTubeもできるようになったと思う。意見の違う人はいるし、叩く人はその人が幸せじゃないから叩いているということもわかっているし、不幸な人が私をはけ口にするのもかわいそうにと思うだけ。傷つきますけど、でもまあそういうもんと思えるようになった。リアルに52歳の女が、どんな服を着て、どんなメイクをして、何を喋っているか、っていうのってそれだけでもメッセージになる。だから顔出しでやろうと思ったんです。もうこれぐらいの年になると可愛く見せたいとかない。ある意味もう吹っ切れてるんですよ、我が道を行くみたいな感じです」




--岡崎洋子さんの日傘が完成しました

岡崎洋子さんの東京に行くために買ったワンピースをループケアし、日傘に仕立て直しました。

聞き手: 山口博之

写真: 山田泰一

PROFILE

PROFILE

岡崎洋子

占い師フランソワーズ

1967年広島生まれ
独身時代レコード会社に勤務。結婚後3児の母として10年の専業主婦生活送る。
2003~2006年まで「ほぼ日刊イトイ新聞」にコラム「ほめ道をゆく。」を連載。
その後ラジオ番組のパーソナリティやテレビ番組のパネリストなどマルチな活動を展開。
現在は、YouTubeでフォロワー急増の人気占い師として活躍中である。

聞き手: 山口博之

写真: 山田泰一

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