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佐藤恵子さん

あの頃一目惚れした
スカート

18.07.08
HIROSHIMA

整理収納アドバイザーとして活躍されている佐藤恵子さんの家は、厳選したモノがきれいに整理整頓、収納されていて、広々と空間を楽しむことができるとても居心地のいいものだった。元々かなりの物持ちだった佐藤さんが、一転整理する側に回ったことの根にあるモノとの付き合い方、そして家族が暮らす場所の作り方とは。

--かつて膨大な物持ちだった整理収納アドバイザー

「部屋が汚いというタイプじゃなかったんですが、とにかく膨大な量の物持ちだった。ほとんどが服と靴とカバンです。おしゃれが好きで、働いたお金は全部つぎ込んでいました。」

そんな物持ちだったからこそいまの自分があるという。

「以前は子どもができても捨てられなかったんです。衣装ケースを買ってグッと押して詰めるをくり返していました。でも、だから今があるんです。あれだけさんざん買ったから。」

--自分で自分を追い込んでしまった時代

ものを手放すきっかけとなったのは、3年前にいまの広島の家を新築する時だった。生まれは広島の佐藤さんだが、転勤族で山口県や兵庫県にいたこともある。いまの家に住むまでは、29歳で結婚した旦那さんの仕事の都合でまた違う土地で暮らしていた。ところが、その暮らしで佐藤さんは、子どもの病気をめぐって精神的に苦しい状況に陥ってしまう。

「2人目の長男が元気だったんですが、後からめずらしい病気だとわかったんです。何でこんなことになるんかなって。自分が悪いんじゃないか、自分の食べたものが悪いんじゃないか、夫婦の絶えないケンカなんじゃないかと責め続けてました。周りは『そんなことないよ』と言ってくれるんだけど、やっぱり自分が受け入れなくて、笑顔はあったんだけど、心から笑えてない感じがありました。その街は大好きなんですよ。人も大好きだったんだけど、私だけ反対を向いちゃったんですよね。苦しい時には子どもに晩御飯を食べさせてくれたり、お風呂入れてくれたり、みんなとてもよくしてくれました。でも、どこかで常に気を張ってる。ごめんね、ごめんねって。それでやっぱりしんどくなったし、申し訳ない気持ちでいっぱいにもなったんですよね。

佐藤さんは、そうした状況を一度断ち切って、違う自分になれる所に行かないと駄目だと思った。

「それが、生まれた所だったんです。母が『帰っておいで』と言ってくれて、あ、帰る場所があるのかなって。多分、自分の居心地いい場所ってある。主人にとっては違ったかもしれないけど、今はここがいい。やっぱり笑顔があるから。奥さんが笑顔じゃないと、家は回らないと思うんです。」

--13歳上の旦那さんとの結婚、そして子どもを授かるまでの格闘

OLやスノーボードインストラクター、代理店勤務など様々な職業をしてきた。旦那さんと会ったのは28歳。友人のお店でカバンのデザイナーだった旦那さんのカバンが素敵だなと思って話したら、作っている人に会えるよとなった。そのタイミングでの邂逅はなかったが、その話を受けて佐藤さんの写真を見た旦那さんは、佐藤さんに会いにわざわざ来てくれた。1年後に結婚する。

「29歳にもなると、周りがみんな子育てしてたんですよ。私1人好きなことやってるなって。見ていて子どもも欲しいなと思ったんですけど、結婚は私にとってとても大きなものだったので、もう少し先のことかなと思っていたら、たまたま。思うより思われるほうが人は幸せになると結婚した友達にずっと言われていて、そうなのかなって。夫は13歳上なんですが、私が年の近い人と合わないんですよ。付き合っている人がいても自分勝手に動いてしまうので、懐が深い人じゃないとだめで。だから年上なのがよかった。」

子どものことを考えながらの結婚だったが、佐藤さんの体質の影響で最初の子どもを産むまでに約5年かかった。佐藤さんは人工授精を考えたが、旦那さんは自然な妊娠でないと違和感があり反対されたという。

「『お父さん、そんなこと言ってたら私どんどん年を取っちゃうんだけど』って。担当の先生がとてもいい先生で、『これは意図的ということじゃなく、補ってあげるだけなんです』と説得してくれたんです。『あとはその子の生きる力』なんだって。そこから結局3人の子宝に恵まれました。」

--モノの価値って一体何なのか。

一番下の次女を生んでから広島のいまの家を新築。その時、どうしても入らない荷物を眺めて引っ越し屋さんにどうしますかと聞かれて「でも要るんです」と答えのだが、その後見返すと履いていない、着ていないもので溢れていた。佐藤さんは一大決心をして、リサイクルショップに手放すことを決める。

「捨てるんじゃなくて、せめて別の誰かに着てもらいたいと思ってリサイクルショップさんに来てもらって、家で査定してもらったんです。最初はひとつひとつ見てたんですが、多すぎて次の予定に間に合わなくなってしまうと言われて、『もう、持って帰ってください。じゃあ』と、持ってきていた黒いポリ袋にバッと詰めて、『一袋5千円でいいですか?』って。『いや、これギャルソンやコスチューム・ナショナルだよ?』『でも、これ古着でタグもなくなってるんです。流行りのものじゃないし、着ないから売っていただけるんですよね?』『はい、もう着ません…』というやりとりで、涙が出ました。手放す時に物の価値はここまで下がるんだとわかって、それから私の物の持ち方と買い方が変わったんです。物を買うときには、思いを入れて買う。一生もんとして、100円だろうが100万円だろうが、自分の中では価値あるものなんだと思って買うと大事にするんですよね。」

捨ててしまう断捨離が嫌いだという佐藤さんは、気に入ったものは直せれば直して使い続け、捨てるなら譲れるものはできるだけ譲る。すべて子どもに譲れる質のいいもの、思い入れのあるものにしようと決めたのだそうだ。

「ずっと納得できるテーブルがなくて、ちゃぶ台で生活していました。ハンス・ウェグナーのデザインしたこのテーブルと出会ってずっと欲しかったんですけど、高くて買えなかったのを決心してようやく手に入れました。椅子や本箱も古いもので1960年代のものですね。子どもが結婚でもしたら、あげようと思っていて、子どもがみんないなくなったら、ちゃぶ台に戻ろうかな。」

ちゃぶ台からちゃぶ台へ。自分にちょうどいい、ぴったり来るものを自分でわかること。高い安いの基準はその人がそのものとどう付き合うかによって変わってくる。

「最初はお値段しても、譲ったり受け継いでいくと思ったら全然高くないことがある。ちょっとの考え方で変わるんだなって。そういうふうにどんどん変わっていきました。だから、今の自分が好きなんですよ。私は、この考え方も、この自分も、この子育ても、好きなんですよね。間違ってる、間違ってないは私には分からなくて、ただ自分が好きな子育てだからそれをしてる。自分の好きなものだから買ってる。第三者から見て、ダサかろうがアナログだろうが何だろうが、それが好きなんだったら通そうと思って。」

--リビングへ。それが我が家のルール。

佐藤さんの家には、子どもが家から帰ってきたら手を洗った後、必ずリビングに集合するルールがある。今は家族皆で寝ているが、いわゆる子供部屋を設けておらず、子どもが大きくなったら旦那さんと長男が使う男子の部屋と佐藤さんと姉妹が使う女子の部屋に分ける計画がされている。

「子どもが大きくなると親との会話は少なくなります。だけど一緒にお布団に入ると、学校どうだったとか話をする時間が生まれると思うんです。」

家族間のピロートークだ。

「だから一人ひとりの部屋は絶対いらない。部屋は狭く、リビングを広く。子ども部屋が狭ければ居心地のいい上のリビングに上がってくる。だからリビングのある二階には何も置かなかったんです。壁も作らないし、トイレもお風呂もない。ただいまと帰ってきたら、必ずここに来なさい、部屋にこもるなと。」

--どうしても捨てられないものの行き場

ループケアするスカートは、広島に戻ってきた時に一目惚れしたもの。

「普段買わない鮮やかなものだったので、主人には『やっぱり病んでたんだな』と言われました(笑)。自分で下の子のスカートを作ろうとも思ってたんですけど、せっかくだし自分で作れない傘にしてもらおうと。」

ものが少ない佐藤さんには「心の箱」という永久保存箱が2つある。子どもたちが初めて描いたものや作ったもの、どうしても譲れなかったもの、夫が初めて買ったものとか、ものによっては色も褪せちゃって、虫食いになってるかもしれないけど手放せなかったものたちを入れるんです。でも、箱は2つと決めていて、また新しいものを入れることになったら、入らない分は手放すんです。」

「心の箱」をつくったのは整理収納アドバイザーとして人にものとの付き合い方を話すようになってから。

「そのものにその人のどんな思いがあるかを私は知らないわけで、勝手にそれは捨てなさいとは言えません。子どもが初めて拾ったどんぐりがあったとして、それを整理のために捨てろと言う権利はない。だから、そういう大事なものは心のボックスに入れておこうと言ったら、そうだよねって。もし、もう譲ることも直すこともできなくて、みっともなく思ったら、さようならする。でも必ず捨てる時に『お疲れさまでした』と言ってお別れします。人も死んだら土に還ります。そこからまた違うなにかになっていく。服とかも同じじゃないのかなって。服も死ぬんじゃなくて、また別の人に着てもらうことで生まれ変われる。物にも心がありますからね。整理収納をし始めて気付きがたくさんあったんです。それを自分流で人に伝えたい。」

--やっぱり母親

整理収納アドバイザーとしての仕事を始めることを後押ししてくれたのは、佐藤さんのお母さんだった。礼儀作法や手ぶらで人の家に行くことを許さないような厳しい人だったが、佐藤さんが困った時、一番に頼るのはお母さんなのだ。

「私がこの仕事をするって言った時、大賛成してくれたんです。『あなたに絶対向いてるからやりなさい。お母さんはあなたの応援団になってあげるから、子どもも見れるときは見てあげる』って。私がやると決めると寝不足でもどんどんやってしまうような人間なので、それだけは勘弁してよとも言われました。『子どものお母さんが元気じゃないと子育てはできないし、あなたに先に逝かれたら、お母さんは孫たちを見続ける自信はないから、ちゃんと健康を保ちながら仕事をするんだったらだからね』と。そういうのを聞いて、やっぱりお母さんは自分の考えと合ってる。というかやっぱりこういう母親になりたいなって思ったんです。厳しくて、叩かれたし、殴られたし、蹴られたけど、母親は私のナンバーワンのアドバイザーです。困ったとき、悩んだとき、つらいときは、必ず「お母さんならどうする?」「お母さんなら、こうする」って。お母さんも、「こんなことがあったら、ケイコならどうする」って。私も成長して、今ではお互いがお互いのアドバイザーですね。

聞き手: 山口博之

写真: 山田泰一

PROFILE

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佐藤恵子

整理収納アドバイザー1級
親・子の片付けインストラクター2級

1973年広島生まれ  
短大卒業後、一般事務、クリスタル販売員、スノーボードインストラクターを経て結婚は、バッグデザイナーである夫のブランド(木の庄帆布)を手伝う。出産までに増えていったモノと向き合いながらの子育てで、こだわりのモノ、子供に譲り受けたいモノを軸とした整理収納の新しい価値を見出す。現在は、『ココハナタイ』心に花を咲かせる団体、子供の名前の頭文字を屋号にした暮らしの整理収納アドバイザーとして活躍中。

オフィシャルブログ

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