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堤信子さん

好きになり始めた頃の
アンティーク着物

18.03.28
TOKYO

80年代からアナウンサーとして活躍し、フリー転身後は『あさ天5』のメインキャスターを始め、『ズームイン!!SUPER』、『はなまるマーケット』等で、たくさんの視聴者に楽しい情報を提供してきた堤信子さん。アナウンサー以外にも、大変な着物好きとしても知られる堤さんが語ってくれた、アンティーク着物との付き合い方。

--3歳の頃から負けたくなかった着物の思い出

「最初に着物を着た記憶は3歳の七五三です。従姉妹が5歳で私が3歳だったんですが、女の子って3歳でもう着ているものを競い合うんですよ。私の着物は白でお姉ちゃんがオレンジ色だったのでお姉ちゃんが目立っていたんです。でも負けたくなくて、当時の七五三でみんなが髪に着けていたリボンがあるんですが、背の小さな私の方が顔より大きいリボンを着けていたんです。ものすごいドヤ顔のその写真が残っています(笑)。そこは譲れなかったみたいで、子ども心に覚えています。私の着物デビューはそれでした。」

堤さんが子どもだった昭和40年代は、まだまだ着物の女性が多かった時代。さらに堤さんのお母さんはお茶の先生をされており、堤さんにとって着物はより身近な存在だった。子どもの頃から反物から仕立てた着物を着ることもたくさんあったそうだが、興味が持てなかったという。自身が着物を真剣に認識しだしたのは、30代半ばの頃にやってきたアンティーク着物ブームの時。

「30代でアンティーク着物のブームが来た時、昔の着物ってこんなにかわいいんだ!って気づいて、目覚めました。元々古いもの、アンティークやヴィンテージと呼ばれるものが好きなのですが、着物に関しては、昔の人が小柄だったから古着のアンティーク着物がどれも自分にぴったりサイズだったんですよ。しかも母が作ってくれる着物の10分の1ぐらいの値段だから、洋服感覚で買えるので、ワンピースじゃなくて着物を買うというのが何年か続いたんです。私と着物の触れ合いは、母が作ってくれていたけど興味がなかった時を第1期だとすると、アンティーク着物に本当に夢中になったのが第2期になります。」

--もの作り変えるという習慣

以前レギュラーを務めていたTBSの「はなまるマーケット」でアンティーク着物の特集が組まれた際も、「堤さん、着物好きだったよね?」と言われて担当になり、着物好きが着物屋さんを回れば当然のごとく買ってしまうわけで、着物の数は大変だったそう。反物から仕立てていたお母さんからには、「またそんなぼろ着物買ってきて、どうしてわざわざそんな古いものを選ぶの?」とアンティーク着物に苦い顔をされたこともあるようだ。堤さんは、今回ループケアする着物をふたつの内のどちらにするか、取材が始まってもまだ悩んでいた。

「どちらも気に入っていたんだけども、今の私には若過ぎるかなと思うものです。片やモダン柄で自分で選んだもの、片や母が作ってくれた古典柄。日傘として、洋服でも着物でもどちらでも使うことを考えると、モダン柄かなとお話ししながら思っていました。」

堤さんはループケアのように服や生地を他のものに作り変えるということを以前からやっているという。

「モダンな柄のものはそのままワンピースにしてもよさそうと思っていました。今回、日傘を作ってもちょっと余りがでると思うので、それでバッグをつくるのもいいなと考えたりもしています。着物って、着物本体だけだと全く外が歩けない。帯があって、長襦袢があって、反襟があって、帯揚げがあってと小物だらけなんです。今は着物屋さんもそんなに数が多くないからお気に入りを見つけるのも簡単じゃないし、自分でできないかなと思っていたら、ぽつぽつとオリジナルのものを作ってくれるお店もできはじめたんです。それで母に『なんかいらない着物ない?』と訊いたら、『今は派手だから着られないけど、大切にしてた羽織』と言って、祖母が母に『この反物すごくかわいいからこれで羽織を作りなさいよ』と薦められて初めて作った羽織をくれたんです。覚えていないんですが、私の授業参観に着てきたこともあるらしいです。とても大切なものだと思ったので『ええー、これ切っちゃっていいの?』と当然訊いたんですけど、そしたら『いいわよ、もうずっとしまっているだけだから』って。だからかばんと帯とあと一つで3つのものに作り変えて今も使っています。私がリメイクする感覚は、母の大切にするけど『着物は着てなんぼ』という実用的な感覚から来ているのかもしれませんね。」

--着てなんぼ精神とパリでの着物体験

着てなんぼの精神は、堤さんの着物の楽しみ方にもしっかり宿っている。アナウンサーという仕事柄、案外と着物を着る機会は多いそうで、お母さんが作ってくれた高級なものも、自分で買い揃えたアンティークも様々なシーンで活用してきた。浴衣も合わせると100着近くあるそうなのだが、堤さんの着物はタンスの肥やしではなく、しっかりと活躍している。

「自分で着れるようになってからは、ちょっとその辺にお茶に行くとかでも着ていますし、ブームの頃はみんなで着物を着てわいわい集まってよく遊んでいました。着物は人に見せるもので、張り切って着る衣装のようなものですね。着物でブルーノートに行ったり、DJのイベントでプレーする時に着物を着たり、もちろん歌舞伎を観に行くときも着ています。着物でわざと洋風なものを合わせて、和洋をミックスさせて楽しむことを30代の頃はやっていました。」

見せる衣装としての究極は海外旅行での着物姿かもしれない。

「以前テレビでパリのロケがあった時、一緒に行ったスタイリストさんが着物大好きな方で、絶対エッフェル塔の前で着物を着たい!と盛り上がり、こっそりスーツケースの中に忍ばせていたんです。ちょうどある雑誌の連載を書く時期だったので、『じゃあ、連載用の写真を撮ろう』と、1日だけの自由時間に二人で着物を着て、エッフェル塔の下で写真を撮りました。その時にびっくりしたのが“着物”って言葉は外国でも通用するってこと。着物はやっぱり目立つので『おぉ、キモノ!』って声をかけてくれたんです。海外でも私たちが好きな着物がそのまま通じているのがとてもうれしかったですね。もうひとつの思い出は、散々写真を撮った後でカフェに入ったんですけど、着物を着ていると普段よりいい席に通されるんです。悔しいけど、アジア人というだけで厨房の近くに通されたりするものが、着物を着ているととてもいい席に通された。この二つは私にとって、パリに着物を着ていった時の二つの思い出です。」

--着物のスタイリングと遊び心のバランス

公私に渡って着物を着て、楽しんできた堤さんにとって衣装である着物は、普段着では着ない柄や色を着るチャンスでもある。洋服のスタイリングとはまた違う遊び心が潜んでいる。

「着物はすごく好みが分かれるんですけど、私はきれいな色のものが好きで、小紋や細かい柄のもの、昔の着物に多い発色のきれいなものも好きです。変わった柄や昔の着物でモダンな柄のものとかもよく買いました。DJイベントで着物を着た時は、レコードの柄の帯をしていました。古いものなんですが、当時にしてみれば着物が普段着で、つまり着物に当時の現代柄が取り入れられていても不思議じゃないですよね。着物以外でも、遊び心を入れるためにブローチを帯留めに使ったり、ユニークな簪を頭に挿してみたり。DJイベントの時は音符のマークのものをしていました。果物を食べるピックを挿したこともありましたね(笑)。」

「着方はきちっと着るのが好き。なので、自分で着付けもできるんですが、人前に出るときは着崩れしないように必ず着せてもらいます。あんまり遊び過ぎるのも嫌、でもあんまりかちっとし過ぎるのも嫌でなので」というのが、遊び心のあるスタイリングをしながらも着る時はきっちり着たいという、堤さんらしい絶妙なバランス感覚なのだろう。

--100年使えるファッション

今回ループケアするものは1着だが、残り100着もの着物は今後どうしていくのだろうか。保管も洋服に比べれば簡単ではない。

「私たち夫婦には子どもがいないので、この莫大な着物は夫側の姪っ子にあげようかなと思っていて、姪っ子には『着物買わなくていいからね』と今から話しています。とはいえ私以外にも一家そろって相当な数の着物があるので、姪っ子にすごい負担がかかっています(笑)。でも、着物はずっと生き残っていってほしいと本当に思うんです。着物は何といってもシルクですよね。シルクっていう織物自体が、女性をきれいにしてくれるものだと思うんです。肌触りたまらないんですよ。シルクのものを纏うことに、すごく大きな意味があるんじゃないかなって。ちゃんと保管すれば洋服よりもうんと長持ちもします。おばあちゃんのものが着られる洋服って少ないけど、着物はおばあちゃんのものでも、それより古いものでも着ることができますからね。」

洋服の文化が入ってきた明治期の洋服すら今の日本では着ることが現実的ではないけれど、着物は明治期のものであっても着れる。基本的につくりも変わっておらず、体型にも左右されにくい。短いサイクルで着倒して捨てていくファストファッション的なものではなく、ロングライフで着続け、受け継いでいける着物の文化はファッションという側面だけでなく見直す価値がありそうだ。

「本当に着物は長持ちします。もうすぐ私の祖母の着物が着られるようになるな、なんて思ってるんです。私が子ども心に覚えている、亡くなった祖母が着ていた着物が私のタンスに眠ってるんです。今これ着るとちょっと老けて見えるなとか思って、おばあちゃんがかつて着てたぐらいのタイミング、60歳を超えたくらいから着ようかなと思っています。」

姪っ子さんに着物をあげても、まだまだ堤さんが着る着物は減らなそうだ。日傘を挿す機会もたくさんあるだろう。もしかしたらスタイリングに合わせて変えるために、あと1本、2本と日傘に姿を変える着物もあるかもしれない。

聞き手: 山口博之

写真: 小野慶輔

PROFILE

PROFILE

堤信子

フリーアナウンサー
エッセイスト

福岡県生まれ。
福岡県立修猷館高校から青山学院大学経済学部を卒業後、
FBSにアナウンサーとして入社、その後フリーに。
NTV「ズームインスーパー」TBS「はなまるマーケット」朝の情報番組でレギュラーを長年務めるなど、TV、ラジオ、講演、司会などで幅広く活躍中。
また、エッセイストとして、感謝をテーマにした著書などを始め、WEBや紙面での連載も手がける。
さらに、大学では、プレゼン、朗読などのスピーチ各論の授業で、学生たちの伝える力を向上させるべく、教鞭を取っている。

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写真: 小野慶輔

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