安村通芳さん
と
オシャレ始めのスウェット
17.10.28
HIROSHIMA
西区商工センターにあるシェアスペース「レインボー倉庫」を運営しながら、グランピングの企画、運営なども行っている安村通芳さん。ファッションが好きで、20代はアパレルメーカーに勤務していた安村さんが、オシャレの入り口として買った古着、そして仕事のこれまでとこれから。
84年生まれ、今年で33歳になる安村さんは、元々アパレルメーカーに勤務。さらに遡れば、スタイリストを目指して高校在学中から東京の専門学校バンタンデザイン研究所のサマースクールに通うなど、ファッションへの強い思いを持ち続けてきた。
そんな安村さんが今回ループケアしたいと思ったのは、19歳の頃に買った古着のスウェットだ。高校時代から専門学校のサマースクールに通うほどだったにも関わらず、安村さんが古着屋に自信をもって行けるようになったのは、スウェットを買った頃からだったそう。
「オシャレにすごく興味があるのに、オシャレなお店に服を買いに行く服がない状況だったんです(笑)。バイトしていたショッピングセンター裏に突然古着屋ができて、そこで今回のスウェットを買いました。装備はそこの古着屋で整えたみたいな感じです。だからその古着屋は、自分にとってのオシャレの入口みたいなお店で、店主もすごくおもしろい人でした。スウェット以外にベロアのテーラードも買って、これでやっと町に出れるぞ! みたいな」。
そうした装備が整う以前に参加したサマースクールは、制服で参加だったため「バレなかった」そうだ。とはいえ、サマースクールに通う程の興味を持つには何かきっかけがあったのだろうか。「10歳上の姉がいるんですが、彼女が広島のファッション専門学校を出て百貨店に就職しました。僕が高2になり今後の進路を考え始めた時、その姉に影響されたんだと思います。百貨店で3、4年働いた後、古着屋を始めたんです。その自由さにも楽しさを見ていた記憶があります」。
進路を考えた始めたタイミングで大学進学は考えず、授業中はファッション辞典をずっと見続けた。そして高2と高3の夏休みにバンタンのサマースクールに参加。高校を卒業し、いざ東京へという時に驚きの出来事が起こる。「親父がリストラになったんです。元々は自営業だったんですが、それを畳んで就職したところをリストラになってしまいました。親には行きなよと言われたのですが、この状況で東京へ行くにはいろいろ不安が多かったんです」。そこで安村さんはすぐ切り替えた。「じゃあ何がしたいかと考えてアパレルの仕事を探したんです。でもなかなかご縁がなかった。取りあえずファッションが身近にある町中で働こうとフレンチレストランで働き始めました。その時に出会ったのが今回のスウェットであり、古着屋さんです」。
ファッションの楽しさを、身をもって味わい始めた安村さんは、ファッションのおもしろさをこう話してくれた。「自由じゃないでしょうか。自由に組み合わせができること。普通のシャツでもそのまま着ずに裏返して着ようみたいな、いろいろな着方ができることが自分の中でヒットしたんです。本来の使い方をしないみたいな、コーディネートの自由さがすごく楽しかった。当時、よく服を改造していました。焼いたり切ったりすり減らしたり。古着で1枚100円ぐらいのスカーフを20枚ぐらい買って、切って繋げてマフラーにするみたいなことばっかりやっていましたね」。ループケアするスウェットはそうしたリメイクの対象にもならず生き残ってきた。実際は24、5歳くらいで着ることはなくなり、衣裳部屋の段ボールに入って何度かの引っ越しを経験してきたそうだ。東京から広島に戻って家を建てた時にもあり過ぎた服を整理したが、スウェットは捨てられることなくしっかりとキープされた。やっぱり着ることはなかったけれど。
フレンチで働きながらアパレルの仕事を引き続き探していた安村さんは、現アダストリアのブランド、グローバルワークのアルバイト募集を見つけて応募し、働きはじめる。「お金を貯めて1年後に東京に行きたいと店長とも話していました。今ほど会社の事業規模が大きくなる前、これから大きくしていこうという時期で月3、4日しか休まずにずっと働いていました。いざ1年が経ち、このまま社員になるか辞めて東京に行くか選択のタイミングがあったんですが、会社の急成長期に正社員になれる仕事は貴重だと思い社員になりました」。そこからは新規出店などで四国各県の店舗に7年ほど勤務。仕事が評価されて東京本社に呼ばれるが、赴任後すぐ東日本震災が起こった。24歳の時に結婚していた奥さんと子どもが広島におり、東京の本社に残るか地元に帰って独立するかという選択肢に悩んだが、安村さんはしばらくして独立を選んだ。
「東京から広島に帰ってきた動機のひとつに、60歳以降でも地域に根を張って働いていきたいということがありました。自分の事業をつくってご飯が食べられるようになったら、地域の活動をしたいなと思ったんです。宮島口の上に家を買ったときも、日本三景の宮島があるにも関わらず宮島口というエリアが寂れているのが残念で、将来ここでおもしろいことをやりたいと住むことにしたんです。実際、事業をはじめてある程度落ち着いたので、地元の商工会に入ってボランティアや地域の祭りを手伝ったりしています。そのなかでいまの事業のひとつであるグランピングをやっているメンバーに出会いました。周りの人たちが、おもしろいことをやっている若いのがいるから手伝ってやろうと言ってくれて、徐々に知ってもらえるようになり、今ではグランピングを一緒にやろうと話をたくさんもらえるようになってきました」。
「いまはグランピング事業とは別にシェアスペース「レインボー倉庫」の運営もしています。僕はもともと小売り出身で店舗や施設管理が好きだったし、何よりクリエーターの作品にいつも驚かされてきたので、自分もこういうシェアスペースをやりたいと考えていました。だから、今回声を掛けてもらったのは願ってもないことでこれからがとても楽しみです。今後は、こういうシェア施設のコンパクト版になるとは思いますが、地元の宮島にも作りたくて、ここでいろいろ勉強してもっともっと広島を盛り上げていきたいです」。
19歳でファッションの本格的な入り口として買ったスウェットはこれからアルバムに姿を変える。さまざまな人と交流をし続け、地元をもっと楽しい場所にしていこうとしている安村さんは、きっとひとつのアルバムでは入り切らないくらい多くの思い出をつくっていくだろうし、人の思い出にも関わっていくのだろう。
--安村通芳さんのアルバムが完成しました
安村通芳さんのオシャレ始めのスウェットをループケアし、アルバムに仕立て直しました。
--生まれ変わったアルバムを手にした安村さんからうれしい感想が届きました
「まずは、ずーっとタンスにしまい込んでいたトレーナーを再生していただきとても感謝しています。
今回、思い出の洋服を再生していただくことで、自分のルーツを振返り今後の目標や夢を再確認させていただくことができました。
ありがとうございます。
この機会を得た事で今後の自分の人生にどのような影響があるのか?
つくって頂いたアルバムに溜まっていく記録と共に将来振返ってみたいと思います。」
聞き手: 山口博之
写真: 山田泰一
安村通芳
etc.CARAVAN代表
1984年広島生まれ。高校時代から東京のファッション専門学校が企画するサマースクールに参加するなど、ファッションの夢を叶えるべく行動するも家庭の事情により進学を断念。その後、アパレル会社のグローバルワークに就職し、四国の各店と東京本社に勤務。東日本震災後、地元広島に帰郷し、現在グランピングの企画やシェアスペースの運営等を行っている。
「レインボー倉庫」
聞き手: 山口博之
写真: 山田泰一
三浦剛さんと
人生を変えたハワイの
アロハシャツ
Garden creator
18.02.08
今津正彦さんと
苦しかった時代の
奥さんのワンピース
株式会社アイ・エム・シー ユナイテッド 代表取締役
18.06.28
佐藤恵子さんと
あの頃一目惚れした
スカート
整理収納アドバイザー/親・子の片付けインストラクター
18.07.08
堤信子さんと
好きになり始めた頃の
アンティーク着物
フリーアナウンサー/エッセイスト
18.03.28
山本美直さんと
子を通して繋がる母の
ツーピース
ブランド「ヒトツトテ。」作家
18.06.08
嵜本晋輔さんと
ガンバ大阪3年目の
ユニフォーム
株式会社SOU 代表取締役社長
18.04.18
池田沙織さんと
ふたりの子どもが着た
手作りの産着
アクセサリーデザイナー
18.05.28
浅野史瑠さんと
デザインした文化祭の
Tシャツ
雑貨作家
18.05.18
竹中庸子さんと
三世代で受け継いだ
被布
特定非営利活動法人もちもちの木理事長
18.06.18
藤江潤士さんと
サラリーマン時代の
オーダースーツ
シンガーソングライター
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商品毎に、1回分の無料修繕サービス(リペア券)がご利用いただけます。
完成品といっしょにリペア券をお届けいたします。